現代農業における「2つの技術」と、私たちの選択
現代の農業には、大きく分けて2つのアプローチが存在すると思っています。
「収穫量を追い求める技術」と、「利益を最大化する技術」。
白柴農園は、この両方の強みを融合させた「ハイブリッド経営」を目指しています。
1. 反収を極める「増収ブースト技術」
単位面積あたりの収穫量を最大化させるアプローチです。肥料や緻密な管理を惜しみなく投入し、作物が持つポテンシャルを120%引き出す職人技の世界です。
強み: 圧倒的な供給量と、市場における強い存在感。
課題: コストや労働負担が増大しやすく、天候や相場変動のリスクを受けやすい。
2. 経営を最適化する「利益率デザイン技術」
収穫量そのものではなく、「最終的な手残り(利益)」にフォーカスした合理的アプローチです。あえて収量を追わず、コストと手間のバランスを再設計(デザイン)します。
強み: 無駄な経費や労働をカットし、変化の激しい時代でも生き残れるタフな経営基盤。
課題: 高度な分析力と、「あえて獲りすぎない」という決断力が必要。また隣の増収ブースト農家と比較してしまう。
白柴農園のスタイル:ハイブリッド型農業
私たちが実践しているのは、この2つの「ハイブリッド」です。 「増収ブースト技術」で培った高い栽培スキルを土台に持ちながら、経営判断として「利益率デザイン技術」を適用する。この柔軟なスタイルこそが、これからの農業の主軸になると確信しています。
この理想を実現するため、私たちは同地域の先駆的な3つの農業事業体をベンチマークとしています。 「彼らは何を重視し、逆に何をしないと決めているのか」。 その思考プロセスを日々観察し、自社の現場へと取り入れています。
独自の挑戦:「2割3年の法則」
私たちは外部の知恵を取り入れるだけでなく、自社独自の栽培技術開発にも心血を注いでいます。その運用ルールが、独自の「2割3年の法則」です。
2割3年の法則とは? 毎年10個の新しい技術に挑戦し、成功するのはわずか2個(2割)。 その成功した技術を3年間継続して検証し、安定した成果が出たものだけを正式に採用する。
正直に申し上げれば、挑戦のほとんどは失敗に終わります。しかし、その積み重ねの中で、すでに1つの画期的な技術を確立することができました。 白柴農園はまだ若い組織です。だからこそ、失敗を恐れず、次の10年を作る技術開発に愚直に取り組み続けていきます。